異国に迷い猫

K-POPのいろいろ

猫のK-POPアワード2020~トレンド編~

はじめに

年末の風物詩の「よく聞いた曲ランキング」を今年も作ろうとしたものの、自分の好みがメジャーとはズレている気がして、誰の役にも立たなさそうだなというのもあり、またそのわりに時間はあって色々な曲も聞いたので、振り返りという形で勝手にアワードを開いてみます!

たぶんこのシリーズは最初のほうが喜ばれるのかなと予想します。後半の方が需要ない気がする笑。でも一生懸命選んだので見てもらえるとありがたいです。

※他の人気アイドルの曲ももちろん聞いていますが他に取り上げている方がたくさんいるはずなので今回は取り扱いません。

※認知が高そうなものにはリンクを貼ってません。 

 

目次(予定)

  1. トレンドセッターだったで賞
  2. 聞き心地の良いアルバムで賞
  3. 日本語版をK-POPクオリティで消化したで賞
  4. 活動してくれることが希望で賞
  5. 2020年は女性ソロが面白かった
  6. 実際によく聞いたのは懐かしいサウンド
  7. せっかくなので普段聞いているグループから一つずつ
  8. トレンドを先行していそうで賞

 

1.トレンドセッターだったで賞

 正直この「トレンドセッターだったで賞」のグループが多くなかったら、わざわざこんな長文にせずお気に入りの曲を自分のツイッターで並べて終わっていたかもしれない。それくらい2020年は「自分がたくさん聞いていたわけではないけれどキャッチーだとわかる曲」というのが多かったのではないかと思います。その中からいくつかコメントします。

 

OH MY GIRL / Dolphin

www.youtube.com

これまで業界人気の高かった2015年デビューのおまごる。 そろそろもうひと押し欲しいというところにやってきたクイーンダムというチャンスで人気が爆発してファンも一安心というところではないでしょうか。タイトル曲のノンストップもチャート上位をキープしていましたが、サブ曲のドルフィンも同時にチャート上位をキープしていたのはガールズグループではBLACKPINK等以外では久々だったかと思います。旬のグループならではの現象だったので興味深かったですね。

ファンが何が嬉しかったかというと売れたことももちろんですが、実力をしっかり認知されて売れたということじゃないでしょうか。難しい世界観を消化する実力があったにもかかわらず、妖精のようなコンセプトとそれを簡単にこなしているように見えるせいでそれほど実力を世間に認知されていなかったことがファンには心苦しかったことと思います。ノンストップとドルフィンはおまごるらしい可愛らしさは踏襲しつつもこれまでのコンセプトとは違う方向性だったので次のカムバックでどんな姿を見せてくれるのか。まさに正念場。楽しみにしております。

実は私自身はKryatalのほうがこれまでのおまごるの楽曲らしく安心感がありました笑

 Krystal

 

Krystal

  • provided courtesy of iTunes

 

 

BLACKPINK / How You Like That

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youtube

特にコメントするようなこともないくらいによく売れたし、ファンではない人も推しがカバーしているのを見かけたり、色々なところで耳にした曲だと思います。今回私は楽曲ではなくファッションの取り入れ方について取り上げたいなとピックしてみました。上記の写真のジェニのような髪型は実は以前よりジワジワと流行っていたらしいのですがジェニが取り入れたことによって新しい髪型としてインスタグラマーやファッショニスタに広がったということがあったそうです。一般人からしたら変わっていると見える髪型でも、やる人がやれば人気が沸騰する良い例ではないかと感じました。友人の話によると金髪の部分の太さも当時人気だったものと変えているそうで、まさに旬の人が自分に似合うスタイルに消化して新しいトレンドを作る良い形だったなと思いました。

BLACKPINKは昔からハイブランドを取り入れたり、大胆なカスタマイズをすることで有名ですよね。

ハイブランドを取り入れるという意味ではK-POPがリードしていますが、徐々に日本でも取り入れる例が出てきているので2021年どうなるのか注目したいと思います。

BLACKPINKのスタイリストが明かす アイドルからファッションアイコンが生まれるまで | WWDJAPAN.com

ハイブランドも注目!【BLACKPINK】を世界のファッションアイコンにしたスタイリストとは? | K-media

 

ITZY / WANNABE

WANNABE / ITZY 歌詞和訳 かなルビ | そるさんの韓国語和訳ブログ

こちらはまず歌詞をご覧下さい。

歌詞が新しい強い女だとK-POPリスナーに話題になった曲です。2020年は「誰にも左右されないありのままの私」がキーワードだったと思います。日本でもそういう考え方の話をネットを中心によく見かけた人も多かったのではないでしょうか。リリース当時、中高生それから大学生、大人にまで、等身大のオピニオンリーダーとして勇気を与えたという話を何件か見かけました。ところが、詳しくは割愛しますが、彼女たち自身も与えられたコンセプトに戸惑ったり、悩んだりしていたようです。

私は楽曲とアイドルの思想や思考はある程度切り離して考えるようにしているのでJYPが新しく彼女たちに“似合う”楽曲は何か考えた末に世間に提案した曲だと受け取りました。

むしろそういった悩んだり迷ったりする姿こそが等身大だという考え方もできると思います。どんな背景があっても楽曲の良さが消えるわけではなく、曲を聞けば前向きになれるのならそれが全てではないかと思います。単純に“音”としてとてもトレンドの音をしているので2021年も彼女たちらしい音楽を届けてくれたらいいですね。

次のEPのBe In Loveもよく聞いてます。

Be In Love

Be In Love

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

STAYC / SO BAD

youtu.be 

ガールズグループ最後は期待も込めて新人グループを紹介します。

ブラックアイドピルスン プロデュースの新人グループで、女優出身のパクシウンがいるためある程度の知名度もあり、2020年はweeeklyが頭一つ飛び抜けていた中、下半期にデビューしてジワジワ人気が出てきています。それぞれが個性のある顔立ちで見分けやすく、何よりもブラックアイドピルスンの1軍曲で曲が本当に良いので注目して欲しいです。

youtu.be

youtu.be

この辺りの動画が話題になったので興味が出た方はぜひ!

 

Straykids / 神메뉴(god's menu)

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2019年のMIROHで音楽番組で1位を獲得してるものの韓国内の認知には苦戦していると言われているスキズが満を持して出した自信作。直前に既に決まっていたタイトル曲からメンバーの意向で変わったという話が出ていましたが、ファンも納得の出来だったのではないでしょうか。
ところが、いざ活動を始めてみると音源成績で苦戦し無冠で活動を終えることになりました。これにはファンも落胆の色を隠せないようでした。
その後後輩のアイドルがカバーする等ジワジワと楽曲の良さが浸透し、またメンバーのヒョンジンの大胆なイメージチェンジによって海外のファンを獲得するに至ったようで、次のカムバックのBackDoorで1位を獲得しました。BackDoorが入っている「IN生」は初動が神メニューが入っている「Go生」の倍程度の売上だったそうで、これも神メニューがあったからこその結果ではないかなと思うんです。その他J.Y.parkも関わった日本のオリジナルソングALL INの「stopの検索結果がありません」という歌詞なども話題になり、今年は飛躍の年になったのではないでしょうか。
リーダーのバンチャンは先日インタビューで「作曲するときに大衆に理解されるかどうかということに気を使う」というニュアンスのことを言っていて、今年はさらに、より多くの人に自分達の音楽を届けたいという気持ちがあるのかなとも読めました。
個人的には最近の彼らの楽曲は「かっこいいトンチキ」だと思っていて、「トンチキをここまで真剣に突き詰めるとこんなにかっこいい」という新しい提案を世間にしっかりできているのが新鮮だなと思います。しいて言うのならちょうどいいトンチキを狙っているようでまだかっこよすぎるようにも思うので(とてもほめてる)どの程度大衆化に振っていくのか、はたまた次のカムバックからはまた新しいスキズを見せてくれるのか楽しみではあります。
スキズはファンの国別比率のデータをとると98%程度が海外ファンということもあるようです。(本国ファンはネイバーで動画を見ることが多いので一概にこの数字を信じていいかは微妙ですが)  ボーイズグループは音盤に強く音源に弱い傾向はありますが、特にスキズやATEEZは海外に強い傾向があり、国内の音楽番組で1位をとるのに苦戦するということが続いています。最近は海外で人気があればそれでもいいのでは、という新しい考え方のファンも増えてきていますが、現状海外で人気があっても韓国国内での需要は減ってしまう例が多かったので、古くからK-POPを見ているリスナーが心配するのも頷けます。彼らが新しい人気の形を作っていくのか、韓国でのスターダムにのしあがっていくのか気になるところです。奇しくもどちらもキングダムの出演が決まっています。頓挫の噂もあるキングダムですが、放送が決まればどちらもパフォーマンスに定評のあるグループなのでそれなりの人気を得るのではないかなと期待しています。

 インタビュー

www.elle.co.kr

ユーチューブの国別視聴割合の記事

스트레이 키즈, '블립' 신규 아티스트 선정 "트위터 언급량 TOP10"

 

2019年のこの辺の聞きやすい軽めの曲もいいです。

Mixtape : Gone Days

Mixtape : Gone Days

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Levanter

Levanter

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

NCT127 / 영웅 英雄 (Kick It)

 あとでNCTのアルバムの話をするのでこちらでは控えめに話しますが、カムバックしてMVを見た瞬間に「NCTの年が来たな」と感じたことをまずお伝えしたいです。こちらもスキズと同様間違いなく「かっこいいトンチキ」だと思うんですが、このトンチキソングというのは匙加減が非常に難しく、一歩間違えるとダサくなり、また違う方に間違うと難解になりすぎるということがけっこうあります。特にこれまで先鋭的すぎて難解だと言われてきたNCTに時代が追いついてきたと言えそうな(大袈裟)曲でありつつもNCTらしさも残せたコンセプトだったのでとても感慨深いですね。その勢いのまま後半のNCT2020の活動に繋がるわけなので、2020年はSMの戦略が上手くハマった年であったなと思いました。

またサビの部分の振付動画を一般人からアイドルまでたくさんの人が投稿しており、それが話題になったことも、これまでと違う点だったように思います。最近SMとJYPは二十歳前後の若い振付師を採用することが多く、そのようなフレキシブルさがK-POPの面白いところだと思うのですが、今回はスキズもNCTもその辺の事務所側のサポートも上手く作用したなと思いました。

ちなみにこの英雄のダンスチャレンジ動画をtiktokにアップしたショウタロウがNCTに途中加入するという嘘みたいなシンデレラストーリーがありましたが、これも英雄の振付がキャッチーでなかったならなかったことなのかなと思うと怖いですよね笑。

 

SEVENTEEN / HOME;RUN 

youtu.be

アルバムを取り上げるときにまた2020年の作品両方に触れながら詳しく後述しますが、セミコロンのタイトル曲「HOME;RUN」は世界恐慌後の復活を遂げる1930年代をオマージュしているそうで、苦しい時代の夜明けを彷彿とさせる楽曲です。1930年代の人々の傷を癒したショーがあったらこのような楽曲のショーだったのではないかとステージを見る度に感じました。今の苦しい時代と照らし合わせる優しいコンセプトだなと感じました。

ファンと直接会うことが難しくなった2020年、自分たちのメッセージを原点に立ち返って音楽で真摯に伝えようとする姿勢がセブチらしく、またステージには一切の手抜きがなく、複雑な形態変化も見る側を楽しませることに集中した素晴らしいショーアップでした。

余談ですが、去年mnetで放送のあったRoad To Kingdomでこのようなステージがあってもよかったなということをふと感じさせるステージでもありました。このような楽しくて景気のいいステージも丁寧に作ることで違った形で評価を集められたのではないかと2015年デビューのセブチを見て感じました。

www.cyzowoman.com

 

ZICO / 아무노래 (Any song)

riririhonyaku.com

こちらはメロンチャートで年間ストリーム数が3位にランクインした年始にロングヒットしたジコの楽曲です。私が個人的にこの曲を挙げた理由として、事実はどうあれど彼の等身大の姿を曲にしているように見え、尚且つそれが同世代の共感を集めて良い成績を収めたことに希望があるなと感じたからです。若い時はクラブも楽しかったけど、最近それも急に疲れるようになって家で適当な曲をかけて適当に集まってリラックスして楽しみたいよね、というような内容です。ジコの曲をメインで聞いているリスナーもクラブに行っていた層が多いのかなと思うんですが、その人たちが社会に出て忙しい日常を過ごしながらなんとなく疲れていて遊ぶ元気がないなと感じることもあったかもしれない。そんなときにもっと楽に考えていいんだよ、と言ってくれる人がいたらどうだろうと考えました。そのような人たちに「新しい価値観」を与えた曲だったじゃないだろうかと、そんなことを思った曲です。

ジコのすごいところは楽曲のコンセプトに対する先見の明だけでなく、アムノレチャレンジを流行らせたことにもあると思います。後続で様々なアイドルが~チャレンジを始めました。家で楽しむ時間が増えたことやtiktok全盛ということとも合った良いプロモーションだったなと今も思います。

 

 

 続きがあるんですけどまだ書いてません…。とりあえずここまでで①にします。