異国に迷い猫

K-POPのいろいろ

猫のK-POPアワード2020~日本語版&日本オリジナル編~

 

3.日本語版をK-POPクオリティで消化したで賞

かねてより、K-POPリスナーからは批判の多い日本語版、japanese ver、もしくは日本オリジナル曲ですが、多くのトンチキ歌詞を生み出しつつも、日本語版を綺麗に取り入れて現地化に成功しているグループもありますよね。

SHINee、PENTAGON、OH MY GIRL、ONF(今は活動がありませんが)、MONSTA X、Gfriend、それからYG所属の歌手等はこれまでも日本語曲に批判の声が少なかったのではないかと思います。(異論があったらすみません…)

日本語曲に関してはネイティブ話者だからこその厳しい視点や日本語の言語としての「母音1に対して必ず子音1」という音感(母音1+子音1はk-popのリズムと相性が悪くダサく聞こえやすい)なども関係しており、またこれまでは日本側の制作環境で日本語版が制作されること等もあってクオリティにはなかなか向上しない面がありました。YGなどは独自のルートでラップ詞を現役のラッパーに書いてもらう等して質を保つという対応をしていましたが、その一方でEXO CBXやSF9のように面白いトンチキ歌詞を売りに(?)するグループもあり、独自の発展を遂げている部分もありました。

今後は、BIGHITが日本法人でプロデューサーを募集しているのでしっかりとしたKpopクオリティで日本語版を聞くことができる機会が増えるのではないでしょうか。私は少数派で、トンチキも好きですし日本語版って耳の良さもわかるので、少しさみしいような気もします笑。

ここでは3つのチームを取り上げます。

 

SEVENTEEN / 舞い落ちる花びら (Fallin' flower)

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 私はこれを聞いた瞬間ものすごくびっくりしました!J-POPやん!ってなりました。J-POPっぽいんだけどしっかりとK-POPの洗練されたパフォーマンスも健在で腰を抜かしました。見た瞬間「これはセブチもだけどパフォチ(ユニットの1つ)の得意なアレ的なアレじゃん!?」と動揺しました笑。「まさかパフォチのアレ的なアレをセブチ本体で日本の音楽番組で見れるとは」と興奮もしました。セブチ推してる人にはわかってもらえると思います。

これまで私は日本語楽曲ってコンサートで一緒に盛り上がることを前提に作っていることが多いし、既存のK-POPファンに向けてではなくもっとライトな層に向けて売り出すために選定しているものであり、日本語版は多忙なスケジュールを過ごすアイドルの負担を少しでもなくすためのものだと理解していたので、どんなにトンチキだろうと「そういうこともある」くらいの認識でいたんですよ。

日本語の楽曲を作るときに世界のトレンドのジャンルに日本語の音感が合わないということと、そもそもアイドルの発音に限界があるということがあると思うんですが、日本語の歌詞で一時も気になる時がなくないですか?(問いかけ)

これはセブチのプロデューサーであるウジやその他のサポートの方々が非常によく日本の市場やJ-POPを研究している成果じゃないかと思います。日本人と言ったら桜や花が好きだし、さくらが入るタイトルにヒット曲がたくさんありますよね。また海外のファンにとっても日本でしか見られない東洋の美しいSEVENTEENで(韓国でも東洋の美はやっていますが今回はより日本的)、さらにそれを4つ打ちのビートにのせて今っぽく仕上げているのでK-POPを聞き慣れているリスナーにも馴染みやすい満足度の高い作品だったのではないでしょうか。

サビの歌詞を「私は花」にしたところも粋だったと思います。SEVENTEENというボーイズグループが「私」を使うと、アイドルである刹那を歌っているようにも、応援しているファンの若さや今この瞬間を歌っているようにも思えて“共感”というフックもしっかりあり、音としても「僕」よりも「私」のほうが雰囲気が出てよかったですよね。

セブチといえば日本デビューのタイトル曲のcall call callでの「今すぐ電話して」というパンチのあるトンチキ歌詞が思い出されますが、今思えばJ-POPをよく研究した結果だったのではないかと思わせるのですごいなと思います。結果的にしばらく聞いてなくてもすぐ思い出せる歌詞とメロディです笑。

 

 メンバーでプロデューサーでもあるウジのディレクション風景

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CALL  CALL  CALL

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ライブ版のが良さが伝わると思ったのでこちらを選びました。

 

NU'EST / DRIVE (Japanese ver)

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同じ事務所からNU'ESTもピックしました。さすがメンバー全員が日本語が流暢なだけあってどの瞬間も耳馴染みのいい曲に仕上がっています。ニュイの場合、新しいファンももちろんたくさんいますが日本活動していた際の既存のファンも日本にはそれなりにいて、どちらも年齢層が高めじゃないかと思うんですが、2.30代が聞いても恥ずかしくないオシャレな曲調で気遣いを感じた(?)のと本人たちの成長した姿とも相まって、またそこもいいなと思いました。

 

StrayKids / ALL IN

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こちらK-POPのグループを推していれば自然と目にしたと思います。「STOPの検索結果がありません」というパンチラインが耳に残って話題になりました。これまで日本語版&日本オリジナルの最強のパンチラインは「お前のBIGな夢は何」だったと思いますが、それ以来久々にパンチのあるワードが来たなと思いました。(どちらがいいとか同じレベルということではないです)

余談ですが「お前のBIGな夢は何」と同じKM-MARKITが作詞に関わっています。

今見ても日本語としては意味がわからなくてそこがいいです。いや、「止まれない」という意味だというのはわかっていますし笑、記事もちゃんと読みましたが日本語話者では思いつかなかった組み合わせのワードだと思います。こういう攻め方もあるなと改めて思いました。こちらJ.Y.parkが制作に関わっているそうで、彼もよく日本市場を研究しているなと感じました。K-POPの一部のリスナーは日本語版や日本オリジナル曲に何かしらの不満があり、私も不満がないと言えば嘘になりますが、今のところ海外のアーティストのヒット作はネタっぽい曲とわかりやすい歌謡曲が多かったので商業的にはいいのかなと思いました。

J.Y.Parkについては様々な面で賛否両論ありますが、他のパートはしっかりとかっこよく仕上がっており、スキズの良さもアピールできる良い作品だったのではないでしょうか。

 

StraykidsとJ.Y.Parkのインタビュー

 https://www.oricon.co.jp/news/2176093/amp/

日本語詞を担当しているKM-MARKITさんのBTS関連のインタビュー

https://dot.asahi.com/wa/2020120100021.html

 

 日本語版についてのブログや記事

 

nenuphar.hatenablog.com

wezz-y.com

 

towerofivory.hatenablog.com

news.yahoo.co.jp

higananetaro.blogspot.com

 

 

※番外編

TREASURE / 사랑해(I LOVE YOU) 

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こちらは日本語版ではないですが、言葉選びという点では同じなので番外編として取り上げます。今や海外向けを意識した作品づくりは欠かせないのがK-POPですが、こちらは日本人からすると気恥ずかしいような「愛してる」という言葉をサビに持ってくるところが、海外ファンにもわかりやすくてよかったです。YGは昔からBIGBANGも2NE1もそういったわかりやすいワードをサビに入れることがたまにあるのですが、最初の頃から海外にも人気があったためわざとそういったわかりやすいワードを避けないのかななんてことを思いました。他の事務所でももちろんありますが、そこまでたくさんは見ないのでYG特有のセンスだと勝手に思っています。

「サランヘ」なんて基本的にはどんな意味か知っている人が多いですよね。サビで「サランヘ」と韓国っぽいキャッチーなワードを持ってきて、制服でパフォーマンスしたり、でもしっかりEDMで(EDMが今っぽいかと言うと違うかもしれませんが他の表現がなくて…)トレンドっぽい音楽になっているので、今欧米でK-POPを聞き始めた層にも刺さるコンセプトだったのではないかと思います。ましてやTREASUREは日本人のメンバーもいるので最初は恥ずかしかったんじゃないかと思うんですが(予想)、かっこよく仕上がっておりさすがYGクオリティと思いました(誰)

 

T1419 / Dracula 

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とりあえず新しいグループも全部チェックするタイプなので何の情報もなく見てみたら「日本語が上手すぎる!?」と驚いたのがT1419。今はもう9人中4人が日本人だとわかっていますが、前情報ないと驚きません?

曲調はいわゆるトンチキなので好き嫌いは分かれそうですが、韓国人メンバーもほとんどがそこそこ日本語を話せるので、興味のあるかたはバラエティやそのバラエティのリアクションをオール日本語でしている動画を見てあげてください…(宣伝)

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アクセスの良さからyoutubeのリンクを貼りましたが、↑は公式ではなくて元の動画は公式インスタのIGTVにあるので↓のリンクから見てあげてください。

https://www.instagram.com/t1419_japan/

 

 

2020年は日本に来られないというのもあり、日本語版や日本オリジナル曲をリリースするグループが少なかったという印象があります。そのためピックするグループに偏りが出てしまいました…。

2021年はどんな日本語版や日本オリジナル曲が発表されるのか楽しみにしています。

 

続く。